こんにちは!男性向けジャムウショップ・エムズジャムウマーケットの不思議店長です。
今日は「ポトンバビ」についてお話をしますが、本文中に少々衝撃的な写真がありますので、苦手な方はご遠慮ください。
ポトンバビとは、何か?
「ポトン(potong)」とは「切る、切り落とす」と言う意味、「バビ(babi)」とは「豚」と言う意味で直訳すると「豚を切り落とす」つまり「屠殺する」ということなんです。
ガルンガンやお寺のオダラン、あるいは結婚式や家のお祝いなど、いろいろな場面でブタはお供え物として神様に捧げられ、その後みんなでおいしく頂きます。この時使う豚肉は、家で飼育していたものや、生きた豚を買って、家で屠殺するのですが、そのことを「ポトン・バビ」と言います。
ちなみに、日々の食事のために使う豚肉はパサールやスーパーマーケットで買ってきます。しょっちゅう家でポトンバビをしているわけではないのですよ。
では、ポトンバビの手順を説明します。といっても、小心者の店長は実際にその現場を見たことはなく、すべて人から聞いたものですから・・・
ポトンバビは早朝夜明け前に行われます。
豚は暴れないように、手足を縛り、力のある若者が暴れないように押さえつけます。
そして、よく切れるなたで、首の血管をスパッと切ります。切ったところから血が出てきますので、すぐに竹筒を差し込み、流れ出る血をタライやバケツで受け止めます。この血も後で料理に使うのです。
豚が絶命し、血がすべて流れ出したら、剃刀でブタの体毛を剃ります。また、火をつけた藁で剃り残した体毛を焼いてしまいます。
その後、おなかを開けて、内臓を取り出します。もちろん、内臓はしっかり調理して後ほどおいしく頂きます。
内臓を取り出した豚は、そのまま解体して、みんなで肉を分けます。
豚を出した家の人は、もちろん一番いい部分を持ち帰ります。また、ブタを購入した場合、出したお金の額により豚肉は分配されます。
顔や足の部分もしっかり料理されます。豚は捨てるところがないそうです。
最初に首の血管を切る時や、解体の指示は、お年寄りやベテランの方でないとうまくできないそうです。下手な人が首を切ると、豚が苦しがったり暴れたりするそうです。
お年寄りが指示をして、若い人たちが実際に作業をする。こうして伝統や文化が受け継がれていくのですね。
このポトンバビですが、やはりガルンガンのお祭りのとき、最も行われます。ガルンガンの前日の夜明け前、バリ島では何万頭もの豚さんがポトンされるのです。
豚肉は食べてはいけないとされるイスラム教の信者が多いインドネシアの中にあって、ポトンバビを行うのはバリ・ヒンドゥーの信者だけだとおもいます。バリ島に近いロンボク島はイスラム教徒が多い島ですが、一部バリ島からの移住者もいるので、ポトンバビは行われるそうです。
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