こんにちは。男性向けジャムウショップ・エムズジャムウマーケットの不思議店長です。
今日は、バリ島の男たちが熱く燃えるタジェンについて、お話をします。
僕が初めてバリ島に来た時、村のあちこちで自由に走り回る鶏の姿に驚きました。ガイドさんに「あれは、野生の鶏か?」と聞いて笑われたことを覚えています。
その時、ガイドさんが、こう言いました
「あの自由に走り回っている鶏は食べるための鶏で、あまり世話はしていません。でも、竹のかごに入っている鶏は、大切な鶏ですから、いたずらしてはいけませんよ。」
「大切な鶏?売るたものものかな?それとも、お祭りに使うのかな?」
後々、知ったのですが、竹のかごに入れられて大切に育てられている鶏はタジェン(Tajen)・闘鶏用の鶏だったのです。
タジェン(闘鶏)は、インドネシア語でサブンガン・アヤム(Sabungan Ayam)と言い、日本でも田舎の方で行われている、鶏同士を戦わせる行事です。
バリ島では、神事として行われますが、どちらの鶏が勝つかというギャンブルでもあります。賭け事、ギャンブルに厳しいインドネシアでは本来はギャンブルとしてのタジェンは禁止されていますが、お寺のお祭りの時や結婚式などお祝い事の時に行われるタジェンはお目こぼししてもらっています。しかし、時々派手にやりすぎたり、お祭りでもないのに開催して警察の手入れが入ることもあります。
タジェンは、お寺のお祭りの時によく行われます。タジェンにより、流れる鶏の血が下界の神々ブト・カロへの捧げものになるそうです。そうしないと、ブト・カロが地上に出てきて悪さをするそうです。
お寺の近くの広場などに、男たちが集まって何かを見ていたら、たぶんそれはタジェンです。
僕は、バリ島の友人の結婚式の時と村のお寺のお祭りの時に、このタジェンを見ました。
タジェンの鶏は、普段から大切に世話をしているので、羽根のつやもよく、体つきも引き締まっていました。
鶏の足にはタジ(Taji・バリ語)と呼ばれるナイフを取り付け、戦う鶏を観衆にお披露目します。
すると、掛け声があがり、そこかしこで賭けが始まります。
賭けが成立すると、いよいよ闘鶏が始まります。互いに向き合った鶏は羽を逆立て、お互い威嚇し、一気にジャンプして蹴り合います。足につけたナイフで肉を切り、血がほとばしります。
勝敗は、動けなくなった方が負けですが、戦意を喪失して逃げ出しても負けとなります。
勝った鶏は、ナイフを外され、手厚い看護を受けますが、負けた方は人の手によりとどめを刺され、勝者に引き渡されます。
後で負けた鶏は調理されるのですが、筋肉質の肉なのでサテなどには向かず、煮込み料理にされるそうです。このタジェンの鶏ですが肉がコリコリしていて、結構おいしいそうです。
賭けですが、5万Rp札や10万Rp札が飛び交い、1回の勝負でかなりのお金が動くこともあるそうです。
タジェンに夢中になりすぎて、一財産を失ってしまった、という話も聞きます。
こんなタジェンですが、何かの機会があれば、ぜひご覧ください。ただし、観客は興奮していますし、また足にナイフをつけた鶏が飛んでくることもありますから、十分注意して見学してくださいね。