ジャムウと医薬品の違い

ジャムウは植物の樹皮や根、実など自然界にある生薬を配合した漢方薬に近いものです。

ジャムウの語源は、インドのサンスクリット語で魔法を意味する「japa」と言われており、その源はインドの伝統的予防医学アーユルヴェーダにあると言われています。つまり、ジャムウは東洋医学の医療薬なのです。

では、漢方薬やジャムウといった東洋医学の薬と、お医者様が処方してくれる西洋医学の医薬品とはどのような違いがあるのでしょうか?その違いについて、考えてみました。

東洋医学と西洋医学の考え方の違い

お薬の違いを考える前に、東洋医学と西洋医学の考え方の違いについて解説しましょう。

西洋医学は「攻撃型医療」と言われています。

病気の根源(原因)を細分化し、徹底的に検査究明をして、薬を用いて病原を攻撃したり、あるいは病巣を外科手術で切除し体のトラブルを取り除くという考え方です。

この攻撃型医療は、悪いところ、悪い原因をピンポイントで攻撃するので即効性が高く、トラブルを排除するには大変効率的な方法ですが、病気はよくなっても、薬の副作用で体調を崩してしまったり、病巣は切除できてもそのために体のバランスを崩して別のトラブルが発生する可能性もあります。

一方、東洋医学は「調和型医療」と言われています。

病気の根源を直接攻撃するのではなく、患者の体質を改善したり、免疫力や自然治癒力を強化して病気を予防したり、疾患を治療するという考え方です。

また、検査というより患者の自覚症状を重んじて、病状を観察し証を決定してから治療に臨むスタイルです。

直接原因となるものを攻撃するのではなく、患者の体質、免疫力、自然治癒力をよくしていく治療法なので、西洋医学のように即効性はなく、病気が治癒するまで時間がかかることがありますが、人がもともと持っている力を引き出してやる方法なので、身体への負担が少なく、副作用も少ないと言われています。

ジャムウなどの東洋医学薬と西洋医学薬の違い

攻撃型の西洋医学と、調和型の東洋医学の考え方の違いは、ジャムウや漢方薬などの東洋医学薬剤と化学薬品といった西洋医学薬剤にも表れています。

西洋医学の薬剤
「確実で強力な作用」を持ち、「即効性のある特効薬」が良い薬とされています。
また、病気の原因を治す成分(単一成分)のみ配合され、作用は身体の特定の部位のみに限られています。
薬剤は天然薬(生薬)から必要な有効成分のみを抽出したり、類似物質を化学合成で作り出して使用しています。

つまり、西洋医学の薬剤は、単一成分で化学合成により作られているので、常に同じ作用が得られますが、強い作用を持つものは副作用や体へのダメージが心配されます。
東洋医学の薬剤
「作用が弱くても身体へのダメージが少ない」薬が良い薬とされ、即効性は少ないが長期間服用する事により人間が本来持つ力を強化する事に主眼が置かれています。
自然治癒力の強化と体内バランスの正常化が目標であり、作用は身体の多岐にわたります。
薬剤は多くの成分を含む生薬を使用し、有効成分のみの抽出や化学合成は行いません。

東洋医学の薬剤は、自然にある生薬そのものを配合するため、西洋医学の薬剤のように即効性、確実性は少ないですが、もともと人間が持っている能力を正常化することが目的とした薬剤ですので、副作用も少なく、身体へのダメージも軽いと言われています。

西洋医学の薬剤と、東洋医学の薬剤を比べた時、病気の原因や病巣を直接的に攻撃する西洋医学の薬剤の方が、常に効果が期待でき、即効性もあるので優れていると思われるかもしれません。

しかし、化学的に抽出、生成された薬剤であり、強い作用を持っていますから、病巣以外の部分を攻撃したり、身体のバランスを崩して体調を崩してしまう可能性もあります。

対して、東洋医学の薬剤は体のバランスを整え、人が本来持つ免疫力、治癒力を高めて悪いところを直すことを目的にしているので、病気が治るのに時間はかかりますが、身体へのダメージは少ないと考えられます。

西洋医学、東洋医学、どちらも一長一短がありますから、どちらが優れている、劣っているという判断はできないと思います。その時の状況や求めているものなどから、どちらが適しているかを判断すればよいと思います。


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