異性の匂いと恋愛遺伝子・HLA
恋愛遺伝子とも言われるHLA(ヒト白血球型抗原・Human Leukocyte Antigen)とは、人の免疫システムに必要な遺伝子情報を持った抗原で、白血球の血液型とも言われます。
1954年に白血球の血液型としてHLAは発見されましたが、その後の研究で白血球だけではなく、人体すべての細胞、体液に分布しており、人の免疫システムに関わる重要な物質として働いていることがわかりました。
HLAには、数万種類と言われる型が存在し、人の免疫システムは異なる型のHLAを持つ物質を”異物”と判断し、拒絶・排除・攻撃を行います。そのため、臓器移植などにおいて、このHLAの方の一致が大変重要となります。
HLAは父親から一組、母親から一組ずつ受け継いで個人の方が決まります。
そのため、親子間で一致する確率は低いのですが、同じ両親から生まれた兄弟の間では一致する確率が25%と言われています。
なぜ、HLAが恋愛遺伝子と言われるのでしょう?
一般的になるべくHLAの方が異なる両親から生まれた子供の方が、似たHLAの方の両親から生まれた子供より免疫システムが強力な子供が生まれると言われています。
HLAの方は、両親から一つづつ受け継ぐので、一組の夫婦から生まれる子供のHLAの方は4パターンになります。
その子供たちが、また異なるHLAの方を持つ異性と結ばれて行けば、いろいろな型が混ざり合ったHLAをもった子供が生まれ、その子の免疫システムは広い多様性を持ち、多くの病原体(異物)に対応できるより良い免疫システムとなります。
しかし、似た型を持った両親から生まれた子供は画一的なHLAしか持たないため、未知の病原体に対する抵抗力が低い子供になりやすいという事です。
よく血統書付の犬より、雑種の犬の方が丈夫で育てやすいと言われますが、これも、HLAの多様化による守備範囲の広い免疫システムが理由と言えるでしょう。
事実、昔の大名や王様など権力者は富と権力の分散を防ぐために、近親者の血痕が多かったそうです。
そのため、何代か経つと病弱や障害を持った子供が生まれてきたと聞いています。
HLAの単一化による免疫システムの弱体化を防ぐため、人は本能的にHLAの方が異なる相手を選ぶ傾向にあるそうです。
また、HLAに方が異なる相手ほど、セックス時のエクスタシーが強く、セックスの相性が良いとも言われています。
恋愛相手を選ぶのは、血液型ではなく、HLAの型であるとも言われています。
この事が、HLAが恋愛遺伝子と言われる大きな理由なのです。
異性の匂いとHLA
さて、HLAが恋愛遺伝子と呼ばれる理由がわかったと思いますが、では現実の社会でどうやったら、なるべく異なるHLAを持つ相手を選ぶことが出来るのでしょうか?
まさか、出会う人全員の遺伝子を調べるわけにはいかないですよね・・・
ところが、簡単に異なるHLAを持つ人を探す方法があるんです。
それが、「匂い」なのです。
遺伝子の中で、HLAの領域とフェロモンの領域は大変近いそうで、フェロモンはHLAの影響を受けているそうです。
つまり、異性の匂いを嗅いで、良い匂い、好きな匂いと感じたら、その人と自分のHLAは種類が違うそうなんです。
これも、強い免疫システムを持った子孫を作り出す本能なんでしょうか?
逆に、異性の匂いが不快に感じたら、その人とはかなり近いHLAを持っているという事です。
だから、兄弟や親の匂いは本能的に嫌うんですね。
「あ、この人の匂い、好きかも・・・」
と、思える相手は、きっと恋愛やセックスの相性もいいのですよね~