体臭ってなんだろう
じっと汗ばむ季節になると気になってくるのが体臭ですね。
満員電車の中や、ロッカールームなど、時として人の体臭で気分が悪くなってしまう事もあります。
体臭は、汗の臭いや脇の臭いなど体から発散する臭いで、中には異性をひきつけるフェロモンの役目をするものもありますが、ほとんどの臭いは異臭、人に嫌われるもので、男性の大きな悩みの一つになっています。
このページでは、その体臭とはいったい何なのか、体臭の正体などについてまとめてみました。
体臭とは何か、臭いの元はなんだ?
体臭とは、排泄物や分泌物などがもととなって体から発せられる臭いです。
体臭の原因となるのは、汗や皮脂などの分泌物なのです。
これら分泌物が体内から体の皮膚表面に分泌されることにより、体臭の元となるのです。
しかし、皮脂や汗などの分泌物そのものは、最初は臭いがしないのです。
時間とともに皮膚表面にいる菌(常在菌)によって、汗や皮脂などの分泌物に含まれる脂質、タンパク質、アミノ酸などが分解、酸化されて臭いのするガスが発生し、これが体臭の原因となるのです。
体の内側から発せられる分泌物 + 常在菌の分解力 = 臭い
この関係をよく覚えておいてください。
皮膚表面の分泌物とは何か?
体臭の大本である、分泌物について考えてみましょう。
皮膚表面には、皮脂を分泌する皮脂腺と、汗を分泌する汗腺があります。
皮脂は皮膚に潤いを与え保湿をするために分泌される脂分であり、汗は蒸発することにより気化熱で体を冷やし体温調節をするための水分で、どちらも人間が正常に活動するために大切な分泌物です。
しかし、同時に体の臭い・体臭の元になる物質でもあるのです。
人体にある二種類の汗腺
人間の皮膚表面には無数の汗腺がありますが、実は「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類の汗腺があるのです。
エクリン腺とは、ほぼ全身に分布しており、体温が上昇するとサラサラの汗(エクリン汗)を分泌します。
このエクリン汗は99%が水分で、残りは塩分やアミノ酸、尿酸などでできており、体温によって蒸発する事により体温調節をする役目があります。
エクリン汗はそのほとんどが水分ですので、臭いはほとんどしません。
しかし、汗をかいて汚れが皮膚表面に付くと雑菌が増殖し、エクリン汗に含まれる微量のアミノ酸などを分解して、ちょっと酸っぱい感じの臭い、俗にいう汗臭さを発生させます。
アポクリン腺は、腋の下や性器周辺に多く分布しており、タンパク質や脂質、脂肪酸などにおいの元になりそうな成分を多く含んだ汗(アポクリン汗)を分泌させます。
アポクリン汗は、性的アピールやフェロモンの役目をする汗と考えられていて、特に思春期に分泌が激しくなり、男性の場合「男臭い」といった特有の臭いが発生しますが、臭いが強いとワキガと呼ばれる、他人にとって異臭と感じる臭いになります。
どこから臭う?臭いの正体
体臭と言っても、特に強く臭いがする場所があります。
その強い臭いの場所と、臭いの正体について説明します。
- 腋の下
- わきには、アポクリン腺が多く、常在菌も多く存在します。
腋の下で分泌された脂質やたんぱく質を多く含むアポクリン汗は常在菌により分解、 酸化されワキガと呼ばれる独特な臭いやツンとした酸化臭がすることがあります。 - 足の裏
- 足の裏にはエクリン腺が多く分布し、多量のエクリン汗が発生します。
さらに、靴下や靴によって密閉されているので、蒸れることにより常在菌の活動も活発となり、足の裏独特の臭いを発生させます。 - 頭皮
- 頭皮には皮脂腺が多く、角質細胞(フケ)と皮脂が混ざり合い、独特の頭の臭いとなります。
さらに髪の毛は周囲の臭いを吸着しやすいので、その臭いとも混ざり合い、異臭となる事もあります。 - 性器周辺
- 性器周辺にもアポクリン腺が多く存在し、また下着やズボンにより密閉され蒸れることにより、独特の異臭を発する事があります。
トイレなどで下着を下した時に、ムッと臭うこの臭いは「スソワキガ」とも呼ばれています。 - 便の臭い
- 便秘などにより、便が長い間、腸に留まっていると、便から発生する腐敗ガスが体内に吸収され、汗や皮脂と一緒になって体臭として周囲に発せられることがあります。
この臭いは、汗や皮脂が常在菌によって分解、酸化されて発生する臭いとは別のメカニズムで発生する体臭です。