多くの男性は「乳がんは女性特有の病気」と、思われているでしょうが、じつは男性にも乳がんはあるのです。

乳がんというのは、乳汁(母乳)を分泌する乳腺上葉上皮や乳管上皮が悪性化した病気で、ほとんどの患者さんが女性ですが、男性にも乳腺や乳管があるため乳がんを発病するリスクがあり、全乳がん患者のうち0.5-1%が男性というデータもあります。

日本乳癌学会のホームページによると、2010年度の乳がん発症数は女性47,899に対し男性は234だったそうです。

圧倒的に女性の発症が多く、男性は234しか発症していませんが、たとえわずかでも男性も乳がんになる可能性はあるのです。

男性が乳がんになるリスクとして「放射線被ばく」や「乳がん家族歴(遺伝)」といった要因もありますが、「女性化乳房」というリスクもあります。

「女性化乳房」とは、いったいなんでしょうか?

これは、男性でありながら胸が女性のように膨らんでくる症状です。

この女性化乳房の原因は「エストロゲン」にあるといわれています。

エストロゲンとは、女性ホルモンのこと。

男性は、精巣からテストステロンが中心とした男性ホルモンが分泌されますが、女性ホルモンであるエストロゲンも微量ではありますが分泌されます。

この分泌量は、テストステロンの分泌量に比例し、二次性徴期を迎えるころから爆発的に増大し、20代から30代にかけてピークを迎えます。

また、テストステロンの一部がエストロゲンに転換する事もあるそうです。

そして、体内にエストロゲンが増えることにより、体を構成している各部の女性化が起きることがあります。

特に、普通の女性と同じようにエストロゲンの働きで男性の胸がふくよかになり、乳房も発達することがあります。

これが、「女性化乳房」という現象です。

女性化といっても、それほど大きくなるケースはまれで、ちょっと胸がふっくらする程度で収まるそうです。

また、テストステロンの分泌が減少していけば同時にエストロゲンも減っていき、胸の膨らみも自然と無くなっていくそうです。

ただ、人によっては女性のように大きなバストになる症例もあり、中には手術や投薬によって治療することもあるそうです。

この女性化乳房と乳がんの関係ですが、まだ明確にはなっていないそうですが、乳がん発症のリスク・可能性として女性化乳房も考えられるということだそうです。

男性乳がんは、年間でも250症例くらいしか発症例がないのですが、男性の場合乳がんの定期健診を受けることもなく、また男性が乳がんになるということがあまり知られていないので、発見が遅くなることが多いそうです。

男性乳がんの検査は、女性と全く同じです。

視診や触診で、胸部のしこりや異変を感じたら、マンモグラフィと呼ばれる乳房X線検査や、超音波検査でがん細胞の有無を見たり、内部組織を採取して病理検査を行うそうです。

乳がんの治療は、外科手術によるがん細胞の摘出や放射線治療、抗がん剤やホルモン剤などによる薬物治療などがあるそうです。

乳がんは、近くにリンパ節があり、発見が遅れるとリンパ節を通じてがん細胞がほかに転移してしまうことがあるそうです。

男性にも乳がんはあるということを理解いただき、早めの発見が必要だということです。